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唯才是挙


本ブログのタイトルでもあります「唯才是挙」について書きたいと思います。

「ただ才、これ挙げよ」とか「ただ才あらば、これのみを挙げよ」と読んだり意味したりするのですが、三国志に出てくる魏の皇帝・曹操(劉備のライバルとも言われる)が言った?とされてまして、「生まれや階級、貴賎(お金のあるなし)、その他ありとあらゆるしがらみに関わらず、とにかく才能がある人間を認めなさいよ」という意味です。まぁ、民主主義の現在においては別に珍しくもない、よくある考えではあるんですね。

ただ、このありとあらゆるものというのがポイントで、本当にありとあらゆるものなわけです。言うなれば、ほとんどの人は唯才で止まる。是(これのみ=才)を挙げない。

どういうことかと言うと、確かに、学歴や人種や肌の色や親で人を見るのはよくない。それよりも能力を尊重すべきだと。ここまでは割と凡庸な考え方とします。

ただね、その後に必ずこう付け足すわけですよ。

もちろん、学歴とか生まれは関係ないよ。そこと能力は一致しないよ。でも、やっぱり人間性は大事だよね。人間性ありきの能力だよね、と。そこ(人間性)だけは依然として評価基準高くしておこう、むしろ、そこ(人間性)は独立した評価軸にしようという前提条件・不可侵条約があるわけです。

それは蛇足でして、ありとあらゆるものなら、人間性という、普通の人が最後まで飛び越えられない評価基準を飛び越えるべきだ。「ただ才、これ(是)のみを…」と、是=才を強調しているのは、人間性を評価軸に入れる※儒教の風潮に対して真っ向から立ち向かっている姿勢と受け取れます。

このように唯才是挙は、今まで越えられなかった人間性を超える所、人の好き嫌いというものに惑わされず人を評価することに本質があり、それから脱却した所に、曹操の凄さがあると、僕は思ってます。人徳の劉備とライバルだった、その対極にいたと扱われていることからも明々白々。

従って、人間は最終的に人間性だよね、人徳だよね、とか言っちゃってる時点で、唯才是挙という考え方は当てはまらないでしょう。

※ちなみに、三国志というのは230年頃のお話なので、今から1800年も前です。考え方も今と異なり、封建主義、君主や領主、主君に対して絶対の忠誠を誓う、それが当たり前で、特にこの時代は孔子が唱えた儒教という、ちょっと堅苦しい感じの思想が幅を利かせていました。その教えは身分が高い者が支配することを正当化出来る支配者に都合の良い思想であったのかもしれません。

現代もそうです。例えば、すごい能力が高いけど性格が良くない人、いますよね?そういう人に対して、その人のことを嫌いが故に低い評価にしていないか。確かに、能力が高い人というのは往々にして鼻に付くことがあり、そこをマイナスと評価されてしまう。それによって能力の部分まで不当に扱われる。

また、特に能力的なものは優れていないけど、すげーいい奴だからやたらと持ち上げるみたいな、そういう内輪ノリ感も同様です。身内の人間のことを「コイツ天才なんだよ」と吹聴するパターン。自分に優しいものは良く見える。

もししているようなら、これもやはり、唯才是挙ではないわけです。

誤解なきように言うと、僕はけっこう礼節を重んじるので、よく分からない無礼キャラを振りまく行為を非常にダサいと思っている節があります(信長ぶる)。従って、そういう視点(人間性を高く評価)を否定することを良いことだとは思いません。もちろん、徳が高くて悪いことなんて何一つなくて、性格の良い人間、礼儀正しい人間、人間性豊かな人間、これを認めることは然るべきことです。だから、人間性を高く評価したから唯才からかけ離れるということはない、ここまでは唯才と人間性の評価は相容れない思想ではないわけです。

ただ、もし徳か才能かのどちらかで迷った時は、僕は才能を選びます。やっぱり、人間性が伴っていなくても徳が低くても余りある才があれば、能力が高ければ、そこは評価しないといけない。一方で、人間性を絶対的な評価基準に加えてしまうと一気にふわふわ感が出るわけです。

良い物だけど心惹かれないこともあれば、粗悪品だけどとてつもなく好きでハマってしまう場合もある。それくらい、人にとって好き嫌いによる価値判断って曖昧なわけですよ。それは本来あるべく評価ではないなと。

ここまで、これが結論です、みたいな書き方をしていて申し訳ないのですが、ここまではあくまでも三国志の時代の話です。あくまでも曹操が生きた時代、封建主義的な世界観で通用する理屈。この考えを現代にリプレイスした時、非常に重要な要素が抜け落ちている。

それは、現代社会において人間性・社会性は能力の一部になる、ということです。

徳の高さを能力として捉える発想は、三国志の時代にはなかったと思う。それが現代では、人と人との結び付きであらゆるものが決まってくるので、人に好かれるということは有用な能力だと言えるわけですね。

それを踏まえた上で、曹操という英傑が放った言葉を読み解くと、現代人の生き方のヒントがあると、思って頂けるかと思います。

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鹿山瞬

鹿山瞬

代表取締役株式会社INJUS
スマホアプリの開発を軸に、名刺やホームページの制作・運用、記帳代行、その他下記自社サービスを展開する会社の創業者です。 ①G2Oマーケティング ②顔パス ③TAXi ④Connector カバー画像の「唯才是挙」とは、三国志の曹操から引用しています。

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